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星を掴めるのか推察中の田舎者の記。 通りすがりの拍手の方、どうもありがとう ございます。
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『待っていた用心棒』です。
検索かけて来て下さった方がここを読んでくれているかは不明ですが、
いらして下さり、どうも有難うございます、
そして期待に添えるような文章では無い気がしているので、
もし「その通りだー」って場合は本当に申し訳ないのでございます…

で、見た次の日に1本だけで感想を書く、ということは、
割と内容を覚えているっちゅーことなので、
案の定長いです。
うひい読みにくーい。

14話。「仇の名は」。
寺にひとりの侍が身を潜めていた。
侍は藩の情勢によって京へと逃げざるを得なかったが、
いつか藩元に帰ることが出来る、という確信から、
寺の僧に対して傍若無人な振る舞いをしていた。
若い僧はそんな侍の態度に耐えかね、
とうとうある晩、侍に向かって意見する。

冒頭の寺のシーン、寺の庭の池の傍にひとりの男が立っていて、
「はて着物の色合い(つっても白黒だから濃淡?)は品田さんだが」
と自信が無いまま見ているとやはり品田さん。
折り詰めを下げて寺の見学中です。
帰り際に丁寧に住職と若い僧に挨拶をし、
拝観料の代わりに手に下げていた折り詰め(漬物)を渡して帰るのですが、
そうだ品田さんは柔術師範だから立派な挨拶出来て当然じゃんね!
と思いました。何たる失礼な話!
でもここ最近ずっと居酒屋の板前さんだったからね…
ギャップがね…
このあと品田さんは風流を心得た人だ、と若い僧が別のシーンで言うのですが、
全くもってその通りだと思う冒頭シーンでした。
後のシリーズで夕顔の花をかんぴょうの花って言ってたって、
品田さんは風流人なのです。

そして珍しく、
捨て犬狂犬野良犬の各旦那が一気に登場。
作次郎さんの居酒屋で酒を飲んでます。
品田さんは仕事をしながら、
カウンター席(江戸時代は何て言うんだああいう席)に座る各旦那に、
今日行ってきた寺の庭が素晴らしい、ということを説くのですが、
捨て犬の旦那は「尼寺だったら良い」とか言うし、
狂犬の旦那は「酒は出るか」とか言うし、
野良犬の旦那は無言で首を横に振るしで、

品田さんの風流を説く回はあっさり終了するのでした。
四者四様の旦那方です。

一方寺では上記の如く、
寺に潜む侍が偉そうにしております。
寺だっつってんのに、
やれ酒が、とか精進料理は飽きたから魚の干物買って来いだの。
その度抗議する若い僧ですが、
住職がこれまた実に出来た人物で、
「よいよい」となだめてあげて若い僧をお使いに行かせるのです。
この住職のおかげで侍の器のちっささがよりハッキリします。
で、その日の夜、
寺に侍を追ってきた一団がやってきます。
侍は夕方に来ていた品田さんが自分の居場所を密告したのだ、
と思い込み、怒りつつも慌てるのですが、
住職が一団に対応する、と言って山門の方へと出て行きます。
ここで残された若い僧は、
ブチブチ言ってる侍に正論をぶつけるのですが、
それがそもそも機嫌の良くない侍の不興をかってしまい、
「無礼討ち」にされてしまいます。
住職が一団を返し、寺の中に戻ってきた時には、
若い僧は既に命を落とした後で、侍は何処かへ逃げてしまっていました。

再び日は昇って、品田さんがまた寺へ向かうと、
池のほとりに狂犬の旦那。
風流を理解したか、と思えば瓢箪の酒は既に燗にしてあり品田さん苦笑。
京の騒乱とは別世界だろう、と品田さんが言うと、
狂犬がそうでもない、と答えます。
そして夜に若い僧が斬られた、ということを品田さんに教えます。
新しい墓の前には住職と、
若い僧のただひとりの身内である妹がいるのでした。
斬った侍の名を尋ねる品田さんですが、
仏に仕える身としては教えるわけにはいかないのだ、と住職に断られます。
晴れぬ気分のままで品田さんと狂犬は、
悲しみに暮れたまま奉公先の料亭に帰る妹を見送るのでした。

ところかわって野良犬捨て犬の両旦那は、
若い僧を斬った後に父の知り合いの町家に潜伏していた侍の、
用心棒の仕事を引き受けます。
やはり偉そうな態度に、
内心つまらん仕事だ、と思いつつ従うふたり。
作次郎さんの居酒屋のツケが溜まっているので、
仕事を選んでいる場合でもないようです。
んで、侍の話を聞いていた野良犬の旦那が、
「父親の知り合いのところばかり尋ねていたら敵に居所が知れやすくなる」
ということを言うのですが、
まさにその通りで追手がこの家にもやってきます。
峰打ちで追手を倒す旦那方。
「後で藩に帰るのならここで斬っては面白くないことになる」
と冷静な判断。
ますます侍の器のちっささが…際立つ…

とりあえず身を隠す場所を移すことにした侍は、
とある料亭が良い、と考えます。
しかしその料亭こそ、
自分が斬った若い僧の妹が働く料亭でした。
用心棒の仕事を始めて4日間、
両旦那があてがわれた部屋で書物を読んだりサイコロ遊びをしたりしている中、
侍は若い僧の妹を口説いていきます。
兄が死んだ、ということを聞かされれば、
供養のためだ、と小判を2枚押し付けるように渡したりなぞしています。
そして侍に藩への帰還が許されたとの一報が飛び込み、
旦那方が報酬を受け取って帰った後、
侍はこの妹を座敷に呼び、
お互いがどういう者なのかを知らないまま、男女の仲になってしまいます。

一方作次郎さんの居酒屋では、
貰ってきた報酬をそのままツケに回して、向こうしばらくの前払いも出来て、
何よりつまらん仕事から帰ってゆっくりした野良犬捨て犬の旦那が、
酒を飲み始めます。
離れた席には最近仕事にあぶれ気味の狂犬の旦那。
その狂犬の耳に、野良犬捨て犬の会話が入ってきます。
そして狂犬は、このふたりを雇っていた侍が、
数日前に寺で見送った娘の兄を殺した張本人であることに気付きます。
「仏罰だ」と刀を持って狂犬の旦那が店を出た後に、
品田さんが折り詰めを手に店に戻ってきます。
折り詰めの中は寺の庭を見る時にも持っていた一級品の漬物。
これを両旦那に奨めつつ、
狂犬の旦那が出て行ったことについて話を聞いた品田さんは、
「そう言えば、漬物を喜んで食べた、と言っていた」
と若い僧のことを思い出し、ひとり呟きます。

狂犬の旦那が店に入ってくると、
身支度を整えながら廊下を歩いてくる妹と出会います。
狂犬は兄の仇がこの店にいる、ということを妹に伝え、座敷に向かいますが、
上記の通り既に妹は侍に口説き落とされた後。
狂犬の旦那が、刀を抜いた侍を返り討ちにして再び廊下に出た後には、
もう妹はそこにはおらず、
紙包みの小判が2枚置いてあるだけなのでした。

ラストシーン、
若い僧の墓の隣の、もうひとつ新しい墓。
祈る住職と、やってきてそっと手を合わせる品田さん。
何処でどうあったらこの兄妹は幸せに生きていられたんだろうなあ、
と思うとやっぱり増長しすぎた侍が悪い、ということになってしまって、
それじゃあこの話は成り立たないんだけど、
それでもお前の所為だー!とか思ってしまいます。

しかし2話続けて狂犬の旦那が、
言葉数が少ないながらも人情味溢れる旦那でステキだったなあ。
その一方で捨て犬の旦那が2話続けて色男な感じですね。ヒュウ。
あと「野良犬と捨て犬」「品田さんと狂犬」てコンビは、
ちょっと珍しいなあ、と新鮮な気持ちで見ておりました。



書き忘れたのを思い出した『待っていた』ネタ。
「襲撃七条河原」かな?
居酒屋で働く女性陣の夜食に茶粥を作ってあげた品田さん。
その後店に入ってきた捨て犬が、
茶粥の入った鍋を見て食べたそうにしているんだけれど、
これは女中のために作ったんだ、とか品田さんに断られ、
「旦那得意の鍋でもてなしてくれたって良いじゃないか」
みたいなことを言う捨て犬さんに、
そりゃあもうものすごいときめきました。何もう!何だもう!
あとこれは確実に「襲撃七条河原」だけれど、
野良犬の旦那が橋の上で浪士たちを斬っているのを、
3人並んで座って河原で見学しているのがこれまた何だもう。
何で並んで座ってるの!

拍手

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『待っていた用心棒』またしても3本ため。
もうぼちぼち記憶も曖昧なのだぜ…!

11話「襲撃七条河原」。
七条の河原で与力を斬った男達は、
引き上げ際、川沿いの道に立つひとりの男を見つけ、
斬ったところを見られたのではないかと焦る。
男は七条に土を取りにきたところであり、男達のことなど知らないのだが、
男達は口を封じようと画策する。
という筋。

まずは男の娘が、
父に声をかけることで知る「清水の音羽の水を八の付く日に汲みに行く」話。
これもこないだ『新選組血風録』で読んだ!
七条の土とか音羽の水とか京都の町人には付根付いているんだなあ。
ふむ。

そんで前の話で、
「京女は好いても惚れない」というのを思い出したわけですが、
この話は悲しい結末なれど惚れこんでいた、っていうのが判る感じでした。

品田さんは作次郎(小田部通麿さん)の営む居酒屋で板前さん。
客相手にもいつもの口調で話をしてる品田さん。
でも居酒屋に急に踏み込んで来た上、
刀を抜く浪士はばったばったと薙ぎ倒しちゃうんだぜ!
…何かすごい久しぶりに品田さんが柔術の達人だ、つーのを見た気がします…

そしてそこにやってくる捨て犬狂犬のおふたり。
とりあえず捨て犬の旦那の「ふふん」っていう不適な笑い方に撃ち抜かれる。
何だー!かっこ良いー!と思ってたら、
後から現れた狂犬に万事任せて先にひとりで居酒屋に入っちゃう捨て犬。
ぶはー!丸投げとかー!
その後「腹が減っているから」浪士に向かって行って斬りあう狂犬。
どうもお腹が空いている時は機嫌があんまし良くないような感じのようです。

野良犬の旦那は河原で誤解から狙われることになった男を、
押しかけ用心棒として守ろうとしますが、
同心がやってきたことで一旦男の下を離れます。
それでも気付けば再び男の家に現れている野良犬の旦那。
結果から言えば手遅れではあるんだけれど、
ずっと気にかけていたんだろうなあ、野良犬の旦那…

で、やっぱり最後のシーンが神妙な気持ちになります。
世の中「純愛」つー言葉がつく作品は沢山あるけれど、
その言葉をずっと上回ったところの終わり方だと思います。
せめて旅路はふたり連れ添っていれば良い。

12話「西から来た侍」。
野良犬の旦那はとある商人風の男をかくまったことで、
男から仕事を持ちかけられる。
同様に、別の店では女中奉公の娘が同じように使いに出されていた。
野良犬の旦那と娘はお互いに知らず、
指定された場所で落ち合うが、
既にその周囲には役人達が張り込んでいた。
という導入部分。

この後、野良犬の旦那と娘は京の町を逃げて行きます。
途中一軒の長屋で、
野良犬の旦那が仕事請負料として貰った2両を渡して、
しばらく身を潜めることに。
しかしここの長屋の夫婦が欲に目がくらみ、
野良犬の旦那が外に出て周囲の様子を伺う間に、
娘の持っていた書面を無理やり丸め込んで奪ってしまいます。
長屋を出てから気をもむ娘。
何か前もこういう、田舎から出てきて今日で働いているけれど、
お侍さん達に用事を頼まれて、
でもそれをきちんと出来なくてとても気にする娘さん、
ていうのがいてた気がします。何の話だろう。

野良犬の旦那と娘は作次郎さんところの居酒屋へ。
店内の台所では品田さんと作次郎さんが料理について談義中。
本日のテーマは「赤味噌を沢山使ったこんな辛い汁が京で売れるかどうか」。
品田さんは野良犬の旦那に味見を奨めますが、
その前に用事をお願いされ、
娘の働く店に向かいます。
娘の働く店ではひと悶着あった後。
そこでおかみさんと一緒に酒の卓を囲む捨て犬狂犬のおふたり。
品田さんはふたりに、
娘に用事を依頼した侍は役人に追われ外へ逃げていった、
という話を聞きます。
一方作次郎さんのお店にいた野良犬の旦那と娘。
しかし娘はやはり書面のことを気にしており、
店へ戻ると決めます。
見ている方はここで嫌な予感。
「侍は逃げている」「娘は店へ戻る」っていう条件って…
と思って見ていたら、やはり。
自分が悪い、っていうのを娘に転嫁する侍なんつーのは、
志士として大したもんじゃない、と言っても、
それにしても…

野良犬の旦那が、
書面を奪って役人に通報し、金を稼いだ夫婦を一喝していくシーンで、
刀を抜きながらも斬らずにいるところが、
野良犬の旦那たらしめているところだと思います。

13話「祇園に斬る」。
祇園の町で、芸妓を呼びに行くおちょぼの前に、
ふたりの侍が現れる。
ふたりの侍は一軒の店を訪ね、おちょぼは自分の働く店だと教えるが、
侍が店の場所を尋ねた理由は、
店に居る伊勢屋という商人を襲撃するためだった。
というところから始まります。

作次郎さんのお店には捨て犬と品田さん。
捨て犬の旦那が得意のサイコロ占いで、
「辰巳の方角で女難」という結果を口にします。
この話はところどころでこの占いの話が出てくるんですが、
それがちょっと面白い。

野良犬の旦那は別の店で商家の大旦那の用心棒。
この商家も狙われる立場にあるのですが、
用心棒がいるし大丈夫だろう、と途中から酒飲みモード突入。
聞けば世知辛い世の中、怯えてばかりの生活はつまらない、とか言う大旦那。
豪快です。
最もそのくらいじゃないと大きな商家なんてやってられないのかも。

狂犬は伊勢屋の用心棒を頼まれていましたが、
伊勢屋が既に斬られてしまったことで、
伊勢屋が贔屓にしていた寿々松という芸妓を尋ねます。
寿々松は伊勢屋を斬ったふたりの侍の話を聞いてしまっていて、
恐怖から狂犬を用心棒にしたいと思いますが、
別の用事があるから、誰か後で寄越すと言って狂犬が立ち去ります。
で、狂犬の話で派遣されてきたのが捨て犬の旦那。
「女難」だなあ、とかボソボソ言う捨て犬の旦那。
自分の占いが自分に降りかかってる…!
でもあれですのう、捨て犬の旦那はこのシリーズ、
ちょっと色っぽい話になりそうなところにいたりして、
思わずニヤリとしてしまうのですが。どうなんでしょかその辺。
まあでも、色っぽいながらもそのままで終わらないけどな…!

ふたりの侍は結局野良犬の旦那に斬られますが、
「斬りかかって来い、とは言わなかったはずだ」と刀を収めるところが、
ちょっと気弱な野良犬の旦那の感じでちょっとドキリ、としたのです。
口調とかはいつもの強気な感じだったんだけどなあ。
狂犬の旦那はふたりの侍を使って商家を始末しようとした侍を斬り、
祇園の事件は人知れず終わります。

しかしおちょぼをしていた娘は、
事件に巻き込まれた所為で店に「手引きをしたのではないか」と疑われ、
最後には店を辞めさせられます。
町中でおちょぼの娘は、
寿々松の家の前ですれ違った浪人=狂犬と出会い、
狂犬が店に居られるよう寿々松に口添えを頼んだことを知り、
深く頭を垂れるのですが、
そのまま荷物を持って何処かへ当てもなく歩いていきます。
良い子だと思うんだけど、
それだけじゃ仕事に就ける理由にならないんだろうなあ。
ううむ。
狂犬の旦那が優しくしてあげたのがせめても娘の心に残れば良い。


しかしこの3本は品田さんが居酒屋で働いてたり、
捨て犬狂犬のおふたりが居酒屋入り浸ってたりで、
ホントのホントにどうにもこうにも記憶が混じりますのう。
うひい。

あと「襲撃七条河原」、
野良犬の旦那が橋の上で浪人を斬る時、
誰かの羽織の家紋が微妙にはげかけてたように見えたのだけれど、
気の所為かしら。

拍手

昨日の『待っていた用心棒』は冒頭10分ちょいを見逃したので、
何故この浪人は金に困っているのだ、とかいうところが、
割と判りませんでした。
ので変則的感想。

10話「天神さまの細道」。
金に困った浪人と、生活を支えるために働いているその妻が、
長屋へ連れ立って帰る時、
水たまりに写る風景が歩みで揺らいでふたりを映して、
っていうシーンがとてもキレイ!
よくあるような手法だとは思うのですが、
白黒の映像で見ると随分印象が変わるなあ、と思いました。
この回はとかく、キレイなシーンとか多いなあ、と感じた回です。
この後長屋で火打石で行灯に火を入れる時の暗闇に散る火花とか、
捨て犬の旦那が長屋で浪人の刀を弾いた時に、
部屋に乾かしてあった扇がハラハラと落ちるシーンとか、
ちょっと見惚れてしまいました。
あああと待ち受けていた捨て犬の旦那が、
開いた扇をパッと投げてみたりとか。

予告の品田さんがハッと顔を上げるシーンは、
最後、ようやく京に来た気持ちだ、
というようなことを言いつつひとり座敷で料理に舌鼓を打っていると、
悲鳴が聞こえ、
それでパッと顔を上げるのでしたね。
そうかそうか、とひとり得心。

あと浪人の妻を見ながら、
この間読んだ『新選組血風録』にあった、
「京女は好いても惚れない」っていうのを思い出しました。
ちょっと違うかなー、という気もしなくもないけれど、
でもパッと夫を見る目が違うくなったというのがねー。
そんな感じだと思ったのです。

拍手

いつもの『待っていた用心棒』です。

8話「雪あかり」。
武家の妻・綾乃は郎党の男とともに、
実家から梅の盆栽を持ち帰る途中であった。
梅の盆栽を夫が家老にあげるために取りに帰ったのである。
しかし雪道で歩みは思ったほど進まず、
途中の旅籠に泊まることに。

その旅籠前に野良犬の旦那とこのふたり連れが、
小さな小屋で会うのだけれど、
この話の旦那はいつもの重々しい感じの旦那。
…むう。
野良犬の旦那を怪しむふたりだが、
追いはぎではない、それより足袋を乾かしてやれ、と男に言う旦那。
この郎党の男がとても優しい。つかかいがいしい。
良い主従関係だなあ、とホッコリ見ます。

一軒しかない旅籠には、ふたりより先に来ていた野良犬の旦那が。
生憎の雪で相部屋となって、ふたりが案内された部屋に、
ひとり窓を少し開けて外を眺めている旦那。
そしてその階下、
何でか台所で「飄々と」飯炊き釜の穴をふさいでいる品田さん。
青文字連打すんません、いろいろこう、ドガン、ときたもので…!
そんなことをしていたら旅籠にまたお客が、
今度は捨て犬の旦那、しかも女連れ。
おおおいろぺえはなしだ!と思ったら沢庵片手に入口をつるっと通る品田さん。
捨て犬の旦那を見つけて声をかけ、
相部屋どうだね、と声をかけますが一蹴。だって女連れ。
捨て犬の旦那は別の部屋に通されますが、
やれその中で連れてきた女・かがりにとあることで、
「冷たいんだねえ」と言われ、
「…雪が降ってるからな」とサラリと答えます。何もう捨て犬の旦那!
…ええごめんごめん。ここすごいときめいてしまった。

更に旅籠に男が来ますが、
男は旅籠にいるはずの客に用事があると言ってずんずん入っていきます。
各部屋を開けては失礼、開けては失礼、と人探し。
どっか一部屋きちんと戸を閉め切っていかないところもあったけど。
男には狂犬の旦那が用心棒としてついてきており、
野良犬の旦那&品田さんが泊まっている部屋で再会です。
そして男は妻である綾乃と自分の家の郎党にそこで出会います。
男はご家中の情勢が変わってしまい、
与していた家老が既に幽閉、切腹の噂もあり、
自分も命を狙われているからこれから逃げるのだ、と勝手なことを言いますが、
そこに正論をぶつける郎党の男。
野良犬の旦那方も郎党の男の意見を正しいとして男を突っぱねます。
そうこうする間に踏み込んできた追手。
野良犬の旦那により追手は全て排除されますが、
それも逃げるだけしか考えていない男を助けるための行動ではないわけです。
とことん嫌われ者役。
更に実は捨て犬が連れていた女は男の愛人。
今後の行く末について4人は話し合いますが、
武家の者としての立場、
連れてこられただけの立場、
逃げるしか考えてない立場ではやっぱりまとまらない。
しかしうだうだと逃げる場所を考えている間に、
妻と郎党の男がお互いを考え、
最期まで共にいるということを決めたということを知った男は逆上。
3人を次々に斬るけれど自分は捨て犬に斬られてしまいます。
大事に、枝が折れないようにと抱えてきた梅の盆栽の傍で、
最期まで共にいることを決めていたふたりが、
しっかりと手を握ったまま倒れていることが救いではあるんだけれど。
夫婦である以上、夫の罪は妻にも降りかかり、
それゆえにまた命を脅かされ、命を失ってしまうという結論が同じでも、
その場合はきっとふたりが手を握ったまま死ぬ、
ということにはならないはずだから、
その点は良かったのかも知れないけれど、
でもそれにしてもやっぱり悲しい終わり方なのでした。

9話「関所越え」。
雪に閉ざされる山村の男達は、
冬の間だけ城下に出稼ぎに行く。
その日、夫とその友人が出かけて行くのを見送った若い妻は、
ひとりの帰り道で商人の男と出会い、
年老いた義父が待つ家へと案内することになった。

というところから始まる話。
とりあえず思ったのは、
この話の野良犬の旦那の性格がまたいつもとちょっと違う気がするということ。
口調かなあ。
重々しい時とも刀に頼ることを好まない時ともちょっと違う、
うっすら豪快さが漂うような感じ。
『待っていた~』は各話の野良犬の旦那の性格見るのも楽しいなあ。

品田さんは鍋作り。
「生姜の使い方は良いと思う」との自己申告後、
単に生姜汁になってしまっているという自己反省。
おかしいなあ、品田さんの料理の腕が判らない。
京都で豆腐百珍の講義をしたお店で作ってたのは美味しかったんだよなあ…
しかし旦那方に奨める料理は比較的美味しくない率が高いような。
はてはて。上手いの?それとも?

という小話を差し挟んでみました。
話の展開は上記の後、
実は商人は侍の男と一緒に行動していて、
寺の境内で旅の男女を斬って道中手形を手に入れており、
これを使って関所を突破しようと目論んでいました。
で、男女だから女がひとり必要。
たまたま目を付けたのが出稼ぎの夫を送って帰るところの若い妻だったわけです。
義父は何とかそれを勘弁願おうとするのですが、
男達は刀を持っていて、
あえなく若い妻は連れていかれたのでした。

そのころ出稼ぎに行く男達は、
寺境内に隠しておいたマムシ酒(城下で売る用)を取りに寄り道中、
殺されている旅装の男女を発見します。
そこに現れる狂犬と捨て犬。
旅装のふたりを斬った人間を見かけている、ということで、
村でこんなこと起きたことが無い、と戸惑う男達を連れて、
庄屋屋敷に届出に。
酒を頂きつつ事情報告の狂犬と捨て犬。
状況的には自分達が怪しまれているよなあ、というのをポツポツ言ってると、
村の男が「冬の時期にはめったに来ない行商が来ていた」
と庄屋に報告に現れる。
そこに妻のことが出て、男は捨て犬と共に家を目指します。
捨て犬が時間を稼ぎ、後から来た狂犬によって商人風の男は斬られますが、
妻は既に侍に連れていかれた後。
人質にされかけた父親の身を案じる間もなく、
男は妻を追いかけ、雪道を関所の方へ走ります。

一方関所の近くの居酒屋では、
野良犬の旦那と品田さんが酒を飲んでいますが、
そこに関所の役人達が戻ってきます。
そして更に通行手形を奪って変装をしている侍と、
無理やり連れてこられた女も入ってきます。
既に関所を閉じられ、今日中の脱出は無理としった侍は、
袖の下で役人を懐柔しますが、
野良犬の旦那、そして品田さんに見咎められます。
そして女が隙をみて真実を語り、
野良犬の旦那が侍を、そして関所の役人を次々と斬っていきます。
ここでもう残り時間も少なくなり、
妻を呼ぶ声が店の中に聞こえ、
急ぎ駆け出した女に品田さんが「あんまり急ぐと、滑るぞ」と声をかけ、
おお今日はちょっとほのぼのした感じで幸せに終わるんじゃね?
と思っていたんです。
が。
「この辺は足を滑らせると、谷底だあ」という居酒屋の主人の不吉な一言。

…せっかく斬られずに済んだのに!
と思いながら、酒を囲む野良犬・捨て犬・狂犬と、
雪の中の探索手伝いから帰ってきた品田さんの表情と同じような顔で、
最後のシーンを見ていました。
いや…もう、
いつまでも動かずに家で帰りを待っている老いた父親がめじょけない。
雪が舞い込んでもなおじっとして、
息子夫婦は出会えたものだと信じてずっと待っているのだと思うと、
急がずにいても出会えたのに!と思ってしまう。
こればっかりはもう、ねえ…
強く信じていたいたものが叶わないままの気持ちがしんしんとする。


次回予告、ナレーションの間にあわせて、
お酒飲んでる品田さんがハッと顔を上げるシーンで、
「何が!」と思っています。明日ですね。楽しみです。
が、今度は幸せに終わって欲しいなあ…

拍手

『待っていた用心棒』の話です。
話の筋が微妙に飛んだりしているけれど、
そんな細かい話なんか誰も必要としてないだろう…
と思ってみる。
「何だと!」という方、いらっしゃいましたらすいません…

3話「吹きだまりの月」。
武士をやめ、長屋で職人として働く男とその娘。
ある日武士の頃の同僚が長屋を尋ねたことで、
この父娘は事件に巻き込まれる。

男が同僚に呼ばれ出向いた先の小料理屋で、
隣の座敷にいる野良犬の旦那。
聞こえてくる話をそれとはなしに聞いています。
男は同僚の依頼をはねつけ、それが元で斬られて死んでしまいます。

品田さんはふらりと入った居酒屋で、
顔なじみの職人連中と出会い、一緒に酒を飲み始めます。
が、そこに男が殺されたという話が飛び込み、
職人衆は確認に番屋へ大急ぎで向かいます。

男は斬られた時に竹光を持っていたことで、
武士としての体面を保つ為に番屋では調査をしないでおく、
ということになります。
しかし娘と、父娘と同じ長屋に住む職人、
そして品田さんと、
小料理屋に入ってからは野良犬の旦那が加わって、
下手人のひとりを討ちます。
この時品田さんが竹光を借りて腰にさしているのだけれど、
お腰のものがある品田さんてば見慣れない…!
ただこの後、
品田さんの竹光を置いていく処置の仕方はかっこ良かったです。
「武士の体面」つーのを逆手に取った「技あり」のシーン。

この後もうひとりの下手人が長屋を襲い、
また武家屋敷出入のごろつきまとめ役が玄妙館を襲うのですが、
長屋は野良犬の旦那が、
玄妙館は何故かここにいた捨て犬・狂犬が片付けます。
しかし…ホントに何故玄妙館に二人が…
宿として提供したのか品田さん。

野良犬の旦那が、
殺された男こそが本当の武士だと考えている、というくだりと、
それをじっと聞いている娘のシーンが好きだなあ。
ちょっと前に娘が、
「職人で良い、と言ったのに武士の格好をして行ったおとうさんが悪いのです」
という言葉を言うシーンがあったのですが、
この野良犬の旦那の言葉で、
ほんの少し、娘の心が晴れたんだろうなあ、と思って見てしまいました。
良いシーンでした。


4話「暗殺」。
ある旗本が暗殺される話。
暗殺の理由は「主義主張」のため。
そこに旗本屋敷で働く女中と、
その女中の幼馴染の職人が巻き込まれる。

暗殺現場を見ていた職人はあわやのところで狂犬に助けられます。
しかしあれですね、
狂犬の旦那は目がギョロっとしてて迫力がある。
江戸の地理に不案内な旦那は、
職人が帰る方角が一緒だと判って連れ立って両国へ。
そして普通に玄妙館道場に入っていく狂犬。
すっかり住みついてんじゃん…!!と思わず突っ込んでしまいそうに。
道場には品田さん。
台所で干物を1枚発見して焼いているところですが、
「少々かび臭い」と言いながら焼いてます。
…焼いて食えるもんなんだろうか…

親方のところに帰った職人は、
事の顛末を親方夫婦に話しますが、
そこに追手がやってきます。
大丈夫だから、と職人を裏から逃がしてあげる夫婦が優しい&男前。
江戸っ子ですのう…
職人は裏口から玄妙館へ。
玄妙館で品田さんに顛末を話すと、
今度は玄妙館にも追手が。
しかし慌てず騒がず台所で火をおこして待っていろ、と言う品田さん。
やってきた追手はひとり、
それもあわよくば事件について丸め込もうとしますが、
狂犬と品田さんは突っぱねます。
その上道場の床板を心配する品田さん。いい性格です。

野良犬の旦那は殺された旗本の用心棒を頼まれていましたが、
旗本が殺された今、
黒幕の秘密を知るもうひとりを守るために旗本屋敷に現れます。
そのもうひとりは旗本の身の回りを世話していた女中の娘。
娘は黒幕の名を野良犬の旦那に告げます。
直後命を狙われますが野良犬の旦那に返り討ち。

捨て犬は玄妙館へ乗り込む男達に用心棒として雇われますが、
金額が見合わない、と匕首で自分の腕を見せ、
その上玄妙館であっさり仕事を破棄します。
捨て犬の旦那もいい性格ですよねえ…
でもドライなんだけど笑うとちゃんと好青年。

無事事件が片付いた、と思っていた面々でしたが、
職人を逃がした親方夫婦は既に殺されていて、
その亡骸にすがって涙を流す職人の下に、
旗本屋敷から女中の娘がやってきます。
娘も旗本が死んだことを伝え、
ふたりその場で泣き崩れるのでした。

一方屋敷で娘をいびっていた女中頭がいたのですが、
家が断絶したことで町で飲んだくれた生活を送っていました。
この女中頭は本当は旗本の妻になれるはずだったのに、
新しく入った娘に結局邪魔をされたかたちになったと、
酒を飲みながら客に話します。
最初この人が娘をいびるシーンを見ていて、
何かやな感じだ!お局様だ!!と思って見ていたのだけれど、
単にそういう性格じゃなくて事情があったからなのだなあ、と、
人の感情の機微とかそういったものを見せ付けられたラストシーンでした。


個人的には「天地正大流玄妙館シリーズ」の2本でした。
次の回もまだ江戸にいるらしいよ…!また出るのかな道場。
しかしやれ化け物道場だの何だのとすごい言われようの道場…

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ということで『待っていた用心棒』がはじまりました。
栗塚旭さんがこのシリーズではご出演なさっておりません。
ので、一応初回だからメインキャスト。

野良犬…伊藤雄之助
捨て犬…島田順司
狂犬…高橋俊之
品田万平…左右田一平

左右田さんは今シリーズも品田万平先生です。
品田さん好きには嬉しい限りですウフフ。


1話は「剣を抱いた十人の客」。
とある旅籠に浪人ばかりが集まってきていた。
聞けばどの浪人も「くにさま」という人物に関わる仕事で、
この旅籠を指定されたという。
浪人たちは旅籠で次の連絡を待つが、
その話は破談になった。

この回は上記4人の顔見せ回。
野良犬の旦那と捨て犬さんは旅籠に集まる浪人。
品田さんは旅籠の客。
狂犬さんは破談になったことを伝えに来た浪人。
それぞれにきちんと見せ場があったりします。

とりあえず前シリーズの沖田さんとはそもそも風貌から違う捨て犬さん。
月代が無いよ月代が…!
とまずそこが最初に来ましたよ。見慣れない…!
あと着物が柄物だ!派手だ!とか…
でもひとり群れずに手酌で酒を飲んでたり、
暇を持て余した浪人たちにサイコロや花札をやらないか、と持ちかけたり、
随分いいキャラです。

品田さんは相変らず。
旅籠の子供が骨を折ったのを世話していたり、
自分が子供の頃は稽古でよく骨を折ったとかいう話をしたり。
…つか天地正大流、厳しいのね…

野良犬の旦那は渋いです。
性格の比較が出来るほど語彙力が無いので、
用心棒の旦那と比較しようにもトホリなのですが、
この野良犬の旦那も好きです。
狂犬さんはすごい酒飲みまくってるイメージしかない!
旅籠で徳利どんどん手にしてどんどん飲んで、
更に手持ちのひょうたんに酒をくれと頼み。
うむ。酒ですなあ。

旅籠は浪人たちに押し入り強盗されそうになるところを、
たまたま4人がいたことで皆無事に終わったのでした。
珍しい…!と前シリーズのことを振り返り思うのですが、
ただひとり、「くにさま」の件に関して逆賊として殺された男がいて、
その妹が逆賊の妹だとしても、と再び町に戻っていくのが、
かなしいながらも凛としていて良いシーンなのでした。
そういや中野誠也さんもご出演なさってましたねえ。
「影の浪人」という役。
ちょっと気風の良い新太さんとは違う感じでかっこ良かったです。

2話「町の中の野火」。
町の小さな小料理屋で働いていた男が、
無宿者であることが知れて捕えられてしまった。
小料理屋を切り盛りする女はその男のことを好いているが、
その身は町のやくざ者の親分のところにあった。

野良犬の旦那が七夕の笹飾りを町で女中の娘に手渡すシーンが、
実にほのぼのしているところから始まるこの話ですが、
何つーかもう、

何故品田さんは小料理屋で料理を作っているのか。
そして何故悪酔いしないための講義になっているのか。
ついでに自分で「上品」とか言ってるが。

というところが今日のいちばんとか言ったら怒りますかそうですか。
更にその後店に入ってきた野良犬の旦那に、
「腹が減っている時は何でも美味い」と言われ、
憤慨している品田さん。
…品田さん柔術家だよねえ…とか一瞬頭をよぎりました。
でもその後やりとりしている間に少しずつ意気投合する辺りが何とも。

その後捨て犬が店に入ってきてあっさりこの2人になびき、
捨て犬が持ってきた仕事(清川八郎を斬るというもの)をこなしに、
野良犬の旦那と捨て犬が街道へ出たら、
清川八郎の身代わりに狂犬が乗っていてここで4人集合。

女中の娘は親方のところで働いているのですが、
小料理屋の親子への恩返しとして無宿者の男を逃がし、
男は小料理屋の女と再び出会います。
しかしそれがばれてしまったのか、
野良犬の旦那が親方のところへ乗り込んだ時は女中の娘は死んでいました。
更に小料理屋では、
自分が足手まといになってはいけないと病気の父親が自ら死を選びます。
悲しみにくれる男と女でしたが、
それでも最後にはふたりで旅に出て行くのでした。


前シリーズに比べると、
今のところ全く救いようが無い、という終わり方じゃないこのシリーズ。
方向転換なんですかねえ。
でも見終わった後のことを言えば、まあ。ねえ。
そいやwikiで2話の野良犬の旦那の性格について言及なされてますが、
あっしは優しい野良犬の旦那つーのも、
なかなかに宜しいと思っているのですけどどうなのか。
時代の差か。
あああもしくは!流派が違う!!

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『俺は用心棒』終わってしまいましたぜ…!
いや、明日から『待っていた用心棒』が始まりますけどね!

明日か明後日にきちんとまとめて書くとして、
本日は「乱れ雲」。
とりあえず鬼気迫る沖田さんの殺陣が…!!
あんだけ大人数を相手にしてる沖田さんが最後の最後で見れるとは。
病の身ながら互角、つーことはそもそもどんだけ強いのだ…

あと品田さんが最後まで品田さんでした。
雑炊鍋。

こっから追記なんぞ。
品田さんの雑炊鍋、つーのは、
床に臥せっている沖田さんの噂を聞きつけて訪れた時に、
沖田さんに食べさせようとわざわざ鍋を持ってきたつー話です。
にんにくとかネギとか栄養のあるものを入れる
…んですが、京都は幕末の戦の最中で材料が揃わないそうな。

そういや話の筋は、
京都の戦火の中、患った沖田さんを匿う女。
近所の男がそれを知り、
薩摩、次いで長州にその情報を売るが、
用心棒の旦那達によって薩長の追手はやられる。
沖田さんは船に乗り大阪へ。
用心棒の旦那は残った女を守りに再び京都の町へ向かった。

用心棒の旦那が女(扇千景さん)を守るために戻って後、
女の家に上げてもらった時、
えらい穏やかな表情で微笑んでたように見えました。
何かシリーズ始めの頃の感じを思い出してしまったぜ…

女は夫を早く亡くし孤独の身で、
用心棒の旦那の境遇に心を寄せ、
酒を買いに行くのですがその先で戦の流れ弾に当たってしまいます。
知らせを受けた用心棒の旦那は、
酒屋で女の最期の言葉を聞き、
亡骸を抱え夜の町の中に消えていきます。
ああもう本当に終わっちゃうのねー…としんみりしたのでした。
もうすぐ明治になる頃の時代、
あの後用心棒の旦那はどうやって生きていったんだろうなあ、
なんてなことを思います。
…まあ答えは「誰も知らない」なんだけどね!

ああそういえば、
香月涼二さん演じる与力や西田良さん演じる山崎烝が、
戦の中に身を投じていくのも悲しかったなあ。
小田部通麿さんが与力を見送るシーンを一緒になって見送ってしまった…
与力の旦那はラストで自刃したことが会話の中に出ただけだったけど、
何か準レギュラーだっただけに寂しかったですのう…


先日司馬遼太郎『新選組血風録』(角川文庫)を購入して、
寝る前に1話ずつ読んでるのですが、
沖田総司の台詞の「~かな」とかいう語尾が、
島田さんの沖田さんの口調で脳内変換されます。
うおおう。

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3本も感想溜めたらもう何が何やらです!
『俺は用心棒』です!
いよいよ来週月曜に終わっちまいます…!

「おっかあの唄」「拾った道」は都合により未見。
録画も出来ないし地元つたヤンにビデオも無い中、
この後見る機会は訪れるのか!ショボン!

「見知らぬ旅の客」は、
雪深い山村で、出稼ぎの男たちが帰ってくる頃に起きた悲しい話。
もうすぐ帰ってくるはずの旦那を殺され、
自らも手篭めにされた女が、
命が助かったものの結局死を選ぶという結末。
生きていても仕方が無い程に旦那のことを好きでいたのだろうし、
自らの見に降りかかった不幸が耐えられなかったのだろうと思うと、
本当にめじょけない。
旦那が帰れば、
春には義母と義理の妹と旦那と4人の生活に戻るはずだったのに。

話の合間の品田さんは、
岩魚を釣って雪の川原で焼いてました。
どうも焼く技が一流らしいです。
でも用心棒の旦那は信用せずに雪を掴んで口に入れる辺り、
古い材料で作ったつまみ(品田さん初登場時)が、
そんなに美味くなかったのかなー、と思ってしまいます。
だって…雪…
脱走した隊士を追ってきた沖田さんは沖田さんで、
品田さんが岩魚焼きつつ「一流の料理人は…」と口上述べたら、
ものすんごい笑い顔で、
「何でそんな笑うの!」と一瞬テレビにつっこむところでした。
でもそんな沖田さんが好きです。

「闇に白い火」は、
村に島帰りの男が帰ってきたことを発端とした話。
男は世話になっているやくざ者によって、
旅籠を営む女を捕える。
この女は過去に男に襲われていた。
子供が男の子供なのではないか、と疑う女の夫だが、
品田さんと新太さんと一緒にやくざ者のいる家に女を取り返しに行く。

品田さんは旅籠の客として、
薪割り、飯炊き、はたまたマムシ酒指南(未遂)など大活躍。
でもお金が無くて用心棒の旦那がお金を稼ぐまでのお手伝いの心づもり。
随分のんびりとしています。
ところで「なめしを炊く」ちゅーので、
「なめし」が最初脳内漢字変換できませんでした。
「菜飯」でしたねほほう。

そんでもって旅籠に客として寄った新太さん。
丁度島帰りの男が来ていて取り込み中のところで、
それから流れで話に巻き込まれてましたが、
品田さんとのコンビつーのは新選でちょっと見入ってしまいました。

用心棒の旦那はやくざ者のところで用心棒稼業中。
しかし品田新太組が乗り込んできたところで、
此処に己の信ずるものは無い、と踏んであっさり寝返り。
旅籠の夫婦の為に働きます。さすがです。

斬り合いの中、無事に旅籠の夫婦は出会い、
しかとふたりは抱き合うのですが、
そこで終わらない。
戸板を一枚隔てたところにはやくざ者の親分が。
「これは…!」と思ったらその通りで、
親分は戸板越しに夫婦を刺していました。
刺されたまま、それでもずっと抱き合ったままのふたり。
「誰にも邪魔されないで、ふたりでずっとそうしてるが良いよ」
と新太さんが亡骸にそっと言葉をかけるシーンが、
それまでの嵐のような殺陣のシーンと打って変わって、
ぐっと静かに響くのでした。

「めおとの風」は、
庄屋の家に金を用立てるように言いにきた郡代が、
手伝いに来ていた若い女を見初める。
庄屋は郡代の機嫌を伺い、
貸す金をどうにかこうにか少なくしようと、
その女を郡代に差し出そうと、
郡代付の侍と話し合う。
しかし女には共に茶屋を営む旦那がいた。

用心棒の旦那と品田さんは一緒にその茶屋に入りますが、
この話はすごい。
品田さんが料理ホメまくり。
「美味い。が、ひとこと…」つーのがない!
夫婦仲睦まじいのを見てニッコリ笑ってみたりします。
用心棒の旦那は旦那で、
「なるほど、酒も甘い」とか珍しいこと言ってないか言ってないかー!
と一瞬ドキドキするようなことをのたまい、
この辺りは大変ほのぼのしく展開します。

この後女が呼び出されて、
店の中で庄屋が呼び出したことを知った用心棒の旦那と品田さんが、
まずい、と言って夫を迎えに行かせた時には、
ふたりとも店内に残ってるもんだから、
どっちかひとり付いてってあげてよーう、とハラハラしましたが、
ちゃんと後から追っかけてきた用心棒の旦那。
ヒーローつーのは最初から出てちゃいけないんですね…!
ふ、と出てきてこそ活きるのですね…!
とそんなことを思いました。

その後も用心棒の旦那が交渉に大活躍し、
おお、今日は何か幸せに終わりそうだなあ、と思ってたんですけど、
そこはそうならないのが、ねえ。
郡代は交渉の時に用心棒の旦那に後ろから斬りかかろうとしたところを、
逆に斬られてしまうのですが、
それを知った郡代付の侍のもうひとりの方が、
怒り、刀を抜いて庄屋の家を飛び出します。
庄屋に目を付けられてはこの地にはもう住めない、と、
旅に出た夫婦はその侍に見つかり、斬られてしまいます。
用心棒の旦那と品田さんが気付いた時には、
もう息のない妻のところに夫が最後の力で這って向かっているところで、
それも届かず、品田さんに支えられながら力尽きます。
最後にそっと、妻の隣に夫を寝かせてあげる品田さん。
いつもある締めのナレーションもなく、
ただそのふたりを残し、話が終わります。

…何かこの3本、見事に夫婦が巻き込まれた悲しい話シリーズですなあ…
そして3本とも、夫婦がお互いを想いながら最期を迎えている気がします。
何か時代劇の夫婦てば相思相愛で生きている感じがして好きですが、
それにしたって一組くらい幸せになってくれたら…良いんだけど…

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最近すっかり感想ブログだな…『俺は用心棒』の話。

まずは「眞葛ヶ原にて待つ」。
奉行所の手代をしている男が、妹に会いに京都へやってくる。
しかしこの男は桂小五郎によく似ているため、
新撰組の監視が付いていた。
結局沖田総司の判断により誤解であることが判るが、
妹の夫がやっている小料理屋で、
京都見廻組が同じ様に男を桂と見間違えたことで事件が起こる。

とりあえずこの作品がこのシリーズ唯一のカラーです。
ということで昼の放送を故あって見らんかったあっしは、
頑張って深夜1時台の放送を見ました。
いやー、オープニングからもうカラー!新鮮!
お三方の着物は『天を斬る』の色合いと似たように思いました、
が、あっしの記憶はあてにならんです。

ので、話に戻ります。
新撰組とは違い男を桂だと思ったまま、
京都見廻組は男を斬ります。
店にいた用心棒の旦那と品田さんに「客でいた侍達は喧嘩をするつもりだ」
と言われて後を追ってきた妹は、
倒れ既に息絶えている兄を見つけ、悲しみの涙に暮れます。
京都見廻組に問いただす、と決意する妹。
それを留め、「香典くらいは取ってきてやる」と役宅へ向かう用心棒の旦那。
話は決裂し、
眞葛ヶ原で用心棒の旦那は見廻組の侍を斬りました。
その頃品田さんは品田さんで、
兄が刀も抜かず斬られた、ということを心配する妹のために、
番屋を訪れ沖田さんに一筆頼みます。
(この時に昨日の記事の「お茶の葉~」の会話があってときめいた)

その後番屋に見廻組が斬られたという事件の一報が。
沖田さんが新撰組の一隊を連れて行ったのは小料理屋。
そこで「見廻組を斬った」と言う用心棒の旦那と沖田さんが、
一触即発の空気に。
そこへ奥から妹が出てきます。
桂と思い男を呼び止めた時に傍にいた女である、と沖田さんは瞬時に思い出し、
厳しい口調は変わらぬまま、それでも品田さんに頼まれていた、
男は京都見廻組にただ斬られたのではなく、きちんと武士として斬られた、
という内容の一筆を渡して去ります。

…ああ、今日も長いな…
個人的にはタイトルでもある「眞葛ヶ原にて待つ」を、
用心棒の旦那が見廻組役宅で伝えたシーンが好きです。
何だもう、かっこ良いな!
あと一度は出来ないようなことを言っといて、
それでもきちんと一筆書いてきたのを渡す沖田さんも良いシーンでした。
直前の一触即発の空気が簡単に途切れず口調がビシッとしてて、
なかなか見らんないもんでステキなのです。
それを受けてのラストシーン、
夫と共に兄のお骨を抱いて郷里に戻る妹の姿が、
悲しいながらも人情味に彩られていてしみじみしました。


そんで「日照り雨」。
奈良の町で雨に降られる髪結いの女。
弟は長崎に医者の修行で出ていて、その仕送りのために働いている。
ある日弟が突然帰ってきたが、
女をひとり連れていた上、
「先輩が来るから泊めて欲しい」と突然持ちかける。
話を聞くにつれ、弟は医者の勉強をやめ、
志士としての活動に目覚めたようだ、ということが判る。
それがこの姉弟に思いもよらぬ事件を呼び込むことになった。

冒頭、雨のシーンで女が雨宿りに軒先に駆け込むと、
先に雨宿りをしていた沖田さんが「そこは濡れますよ」と、
もう少し奥に来るように奨めます。
そこでふたりで狐の嫁入りの話をしてるんですが、
随分と微笑ましいわけですよ。
話が『俺が用心棒』じゃなければそのまま恋仲にでもなれば良いじゃない、
的な雰囲気の。多分。
ともかく前日終わりの沖田さんとはガラリと雰囲気が変わったつーか、
普段の口調の沖田さん。

用心棒の旦那は、弟が連れてきた男達の用心棒。
男達は倒幕の志士で、
弟はこの男達の「同志」になっているのですが、
それは弟がそう思っているだけで、
男達は「役に立つ使い走り」としか見ていません。
用心棒の旦那は別段男達に組しているわけでもないので、
その辺既に見えていることなのですが、
弟は思想にのぼせているからそれが判らない。
髪結いをしている姉が、
医者の勉強を知らぬ間にやめていた、ということに心を痛めているのにも、
無論気が付かないのです。

姉は頼まれるまま酒と寿司を買いに出ますが、
寿司屋で再び沖田さんと出会います。
弟の話に出てきた言葉について沖田さんに尋ねる姉。
その言葉から沖田さんは弟が面倒な事に巻き込まれていると薄々気付きます。
そこに、姉と入れ違いで入ってきたのが品田さん。
品田さんは奈良で大仏とかお寺見学をしていた様子。
「よく食べ物屋で会うなあ」なんてな話をしているうち、
「仏を見てきたのなら…」と何か思いついた沖田さん。
そして何か巻き込まれる品田さん。

何を巻き込まれたかというと、
品田さん次の登場は寿司屋の格好です。
桶を取りに来たついでに沖田さんからの忠告を言付けられています。
実は弟が連れてきた男達は既に新撰組に狙われている。
弟は志士としてまだ名が知られていないから見逃すことも出来る。
そんな感じの言伝。
それに用心棒の旦那や姉の言葉が重なり、
苦悩する弟。
しかしこの一連の話を聞いていた連れの女が、
男達にそれを知らせたことで、
弟を斬ろうと玄関に出てきます。
姉と一緒に弟は外へ逃げ出しますが、
そこに女が立ちふさがり、弟を罵ります。
再び男達の元へ戻る弟ですが、結局そのために斬られてしまいます。

そしてラストシーン。
再び大雨の町。
雨宿りをしている姉、そして弟。
斬られた弟は右脚を無くし、左腕を包帯で吊りながらも生きていました。
沈んだままの弟の隣で、
姉は嫁入行列が雨宿りをする風景を静かに眺め、
そして街角に同じように雨宿りをする沖田さんを見つけます。
弟の怪我を思うと複雑であるかのような表情で頭を下げる沖田さんと、
感謝の念を滲ませてお辞儀する姉。
珍しく悲しくない終わり方。
姉が何処までも前向きに生きようとするその感じが、
見た後に良かったなあ、と思わせる一因なのかもしれません。
ホント、こんな感覚で見終わったのなんか久々だ!

…今日も長くなっちゃったなあ…

拍手

もう23時過ぎた上、
明日は午前中から仕事なので、
長々と書いてる場合ではないので、
昨今の『俺は用心棒』を見ていて思うこと。

沖田さんと品田さんの掛け合いが大変ほのぼのしている。

話全体を見ると暗い雰囲気が漂っていたり、
悲しい終わり方をする話が多かったりするこのシリーズなのですが、
話の中に置いてこのふたりの会話は時折その方向から外れます。
やれお茶の葉変えたほうが良いですよ、小言を言われます、
みたいなことを言い(沖田さんが)、
そうだ仏を見てきたなら人助けをしましょう、それが良い、
みたいなことを言って勝手に人の役割を決め(沖田さんが)て。

…もっぱら原因沖田さんじゃね…?

でもこのふたりが並んだり向かい合ったりで喋ってると、
何かそんな空気の展開を期待してしまいますのぜ…
「食いしん坊」(品田さん発言)同士気が合う、ということで。
ね。

ああでももう『俺は用心棒』も終わりの文字が近づいてきましたねえ。
おおお。
せめて地元某ツタヤにビデオ置いといてくれたら好きな時に見られるのに…!
(スカパ導入から1年半、未だ録画できずにいる環境)

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プロフィール
HN:
シリュウ シノブ
性別:
非公開
職業:
足軽(にわか)。
趣味:
読書。音楽(聴くのみ)。等々。
自己紹介:
プロフィール画像は、
かつてのブログペットのけーわくさん。
記念にとっといた回。
しかし台詞はなんじゃこりゃー

どっかにハマるとしばらくそればかり、
ただし若干年相応ではない。
が、本人至って気にせず,
欣ちゃん言うところの
「はじめて聴いた時が新曲!」理論で
マイペースにやっております。
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